【日商簿記2級・ネット試験】各スクールの模擬試験問題を解いてみた

 
ヒカル
簿記2級の演習の一環で、各スクールが公表しているCBT試験の問題を解いてみました。

CBT試験のサンプル問題集へのリンクはこちら

弥生さんのサンプル問題へのリンクはこちら(CBT試験)

この記事では、それぞれの問題を解説したリンクと解いてみた感想を書いています。

難易度は、

(易しい)ネットスクール=弥生カレッジ<資格の大原<TAC株式会社<<クレアール(難しい)

です。

また、どの問題を解けばよいか、という疑問にも回答したいと思います。

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弥生のCBT試験(サンプル)を解いてみた感想 初見でも楽

解説は弥生さんが挙げられているので省略します。

大門1はベーシックな問題ですが、問4の「貸方・借方で同じ勘定項目は相殺」に注意。

大門2は連結決算。20点中18点は修正事項だけで点数が取れます。修正事項8の土地の売却によって未収/未払の取引も発生しているので、未払金(諸負債)/未収金(諸資産)を修正仕訳に加えるのも忘れずに。

 
ヒカル
未払金/未収金ですが回答に書く場所がありません。そういう場合は諸資産/諸負債に切り替えて考えます。S社の説明の単位が抜けてます(千円)。

大門3は損益計算書の作成問題。利子抜きファイナンスリース(と初回減価償却)、満期保有目的有価証券の償却原価法、退職給付費用、無形固定資産の償却とまんべんなく出題。商標権(無形固定資産)の残高試算表の数値は過年度の末期の数値である(26を含めて31年までの6年で90000円を償却する)ことに注意。

大門4の小門1は工業簿記の仕訳。材料の消費、賃金計算、製造間接費の予定配布とベーシックなので満点を狙いたいです。

小門2は総合原価計算。平均法であることと、仕損が両者負担であることに気を付ければ楽な部類。

大門5は差異分析の問題。Box図から当月投入分を逆算して材料の標準使用量、加工の標準時間を出せるかがカギ。材料の実際使用量と加工の実際時間は問題文の実際原価データより、加工の基準時間は年間製造間接費のデータから出せます。

直接材料費の差異分析図とシュレッター図に落とし込んで回答。回答するときは不利差異/有利差異ではなく借方(不利)/貸方(有利)であることに注意。

目標は80点。

ネットスクールを解いてみた感想 初見でも楽

大門1はテキストレベルの問題でした。

大門2はおなじみの連結決算ですが、修正事項だけで満点が取れるので得点しやすかったと思われます。

大門3のP/L作成は圧縮記帳、税効果会計、銀行勘定調整、営業債権と営業外債権の貸倒引当金繰り入れの処理の違いといった簿記2級で出てきた論点が問われました。

大門4の小門1は基本的な仕訳なので得点源にしたいところ。小門2は先入れ先出し法、平均法の両方が問われるので計算力が試されます。

大門5は差異分析、シュレッター図が問われました。「能率差異は変動費のみで計算する」という珍しい指示がある問題ですが、正しく読み取れていなくても失点は2点で抑えられると思われます。

目標は80点。

解説

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資格の大原を解いてみた感想 大門2の処理が多め

大門1は端数利息・圧縮記帳の問題に注意。

大門2は外貨取引を含む商品売買の処理。この手の問題は日付事に仕訳をやっていくか、勘定項目ごとに仕訳を切るか方針を決めてから回答するのがベター。

大門3は損益計算書の作成。B/S項目は問われていません。期中の貸倒で引当金が消費されていること、売上原価の計算時に単価が上がった商品があること(商品評価益は計算しない)、毎年継続して払っている費用の扱いに注意。

大門4の小門1は基本的な仕訳。小門2は個別原価計算で計算量がやや多いので注意。

大門5はCVP分析。テキストレベルの問題なので満点を目指せると思います。

目標は80点。

TAC株式会社の問題①を解いてみた感想 工業簿記が少し難しめ

大門1はテキストレベルですが、ほぼ全て2級で問われる論点なので注意。

大門2は有価証券の評価。出てくる回数が少ない有価証券から処理して部分点を狙うのがベター。

大門3は貸借対照表の問題ですが、備品の期中売却がある、その他有価証券の税効果会計を含めないといけない、償却原価法による債券の評価替えなど2級の論点が詰まっています。

大門4の小門1は基本的な仕訳。小門2は製造原価報告書・P/L作成で資料を読み解かないといけないのでやや難度が高め。

大門5は原価カード・差異分析・シュレッター図の複合問題。計算量が多いのでミス注意。

目標は77点。

解説

 息子シリーズ第2段です。今回はTACのネット試験サンプル①について解説していきます。TACのネット試験サンプルはこちら(模擬試験問題1(TAC出版))。こちらも解説がないので、つばさの息子のHikaruが解説します。[…]

TAC株式会社の問題②を解いてみた感想 大門2の連結決算が難しめ

大門1は利子込み法のファイナンシャルリース、源泉徴収後の配当金の扱いに注意。

大門2は連結精算表の作成。資料に書いていない配当金の取り消しがあることに注意。余った時間で部分点を取りましょう。

大門3は税効果会計を含む貸借対照表の作成。最初に当期純利益が判明してることに気づけたかがカギ。他には長期前払費用の扱い、貸倒引当金の個別評価(貸倒懸念)、銀行勘定調整の営業外費用の取り消しに注意。

大門4の小門1は基本的な仕訳ですが、製造間接費の集計ミスに注意。小門2は正常仕損があった場合の、処分価値がない・ある場合の2つの処理が求められています。度外視法かつ月末の進捗の前に仕損じが起きているので、完成品も仕掛品も負担することに注意。

大門5はCVP分析。単位が色々混ざっていること、貢献利益率が割り切れない=分数で処理しておく必要があることに注意。

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クレアールの問題を解いてみた感想 全部難しめ、本試験より上の問題あり

解説は公式にあるので省略します。正直、本試験より難しめの問題が混ざっています。テキストの隅に載っているような裏知識があるかも試されています。

大門1から株式申込証拠金と別段預金の使い分け、有価証券利息の計上、パーチェス法による合併(帳簿価格・時価価格の両方が書いてあります)など、一筋縄ではいきません。

大門2は有形固定資産の期中処理。焼失時の火災損失処理、200%定率法で処理したときの改定償却率の利用、割賦購入の長期前払費用の処理、圧縮記帳後の月割減価償却など157回の大門2を緩めにしたような論点が出ています。

 
ヒカル

改定償却率の判定には裏技があります。改定償却率を分数にしたものの逆数をとったものが保証率を使う年数です。

本門の例:Aの0.5→1/2、最後の2年が定額法 Bの1.0→1/1、最後の1年が定額法 Cの0.334→1/3、最後の3年が定額法

これより、期首月に購入した備品Aだけが改定償却率に引っ掛かる(最後の2年)ことが判断できます。また、備品B・Cともに本年度購入ということは備品Aの備品減価償却累計額勘定=前期繰越額。

保証率を使うので480万x0.108=518400×2年の1036800が2年で定額法で償却する金額だとわかるので、480万-1036800=3763200が備品減価償却累計額勘定です。

これによって、まともに計算する固定資産を消失した倉庫、備品B備品Cだけにすることが出来ます。

 
 
大門3は連結3年度の連結決算。タイムテーブル法を用いた過年度までの利益剰余金の算出、成果連結はもちろん、土地売却のアップストリーム利益付加率(利益率は売価から計算、利益付加率は原価から計算)」を使っている過年度の未実現損益の実現と本年度の未実現損益の取り消し、銀行での受取手形の部分割引(丸暗記してると解けない、グループ内では借入金処理など、連結決算を隅々まで知らないと回答できない問題。
決算整理の財務諸表=繰越利益剰余金に当期純利益が含まれていることにも注意。
 
 
息子
解説の手形の割引では、成果連結と手形の割引が同時にされています。少し難しかったので調べてみました。

①②を足したものが解説になっています。1級相当の問題なので分からなくて当然だと思います。(グループ間で振り出された手形を割り引いたら、支払手形を短期借入金に振り替えてよいのは全額を割り引いた場合だけ。12000全額を割り引いたのではなく8000だけ割り引いたので差額の4000が残ります。なので「手形の割引があったら支払手形と借入金だ」と丸暗記してると絶対に解けません。
割引していないときの成果連結仕訳①
S社支払手形 12000P社受取手形 12000

P社が銀行で手形を割引したときの仕訳(注:問題文より仕訳反映済)

当座預金と支払利息割引料8000P社受取手形 8000
上の仕訳反映済の逆仕訳②
P社受取手形 8000借入金 8000
 
 
第156回では決算整理の財務諸表=当期純利益から計算しないといけない問題が出題されました。
 
大門4の小門1は基本的な仕訳。小門2は製造間接費の2次配布です。配布基準を間違えると大量に失点するほか、2次配布のときには第一・第二部門だけの面積・従業員数で按分することに注意。
また、製造間接費の固定費・変動費の内訳がわからないので固定予算とみなして回答する必要があります。小門3の予算差異が鬼門。
 
 
 
つばさ
解説にミスがあります。p13※4の「動力部門費は、従業員数に基づいて」は、「工場事務部門は、従業員数に基づいて」だと思われます。

大門5は直接原価計算とCVP分析ですが、製造の変動費と販売の変動費を分解して変動製造マージンから貢献利益を出す方法を使う必要があります。「変動製造マージン」という勘定項目が出てきにくいと思われます。

目標は大門1が16、大門2が16、大門3が8、大門4が24、大門5が10の74点。

 
息子
クレアールに限っては、最初は回答見ながら解いても良いと思います。それくらい引っ掛けが多いです。
 
つばさ
だから公式に解説があったんだろうね。

結論:全部やった方が良い

基礎的な内容を網羅したネットスクールと弥生カレッジの問題、外貨取引と商品売買処理を網羅できる資格の大原の問題、工業簿記が捻ってあるTAC、CVP分析以外が応用(本試験より難しいレベル)のクレアールの問題。

どの問題をやったほうが良いかに対する回答ですが、全部やった方が良いと思われます。

 
息子
2022年度は若干出題範囲が変わります(収益認識に関係する箇所)が、これらを解いて理解さえできれば、本試験もほぼ受かるのではと思います。

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