【商業簿記2級・ネット試験】TACの模擬試験問題1を解説

 
息子
シリーズ第2段です。今回はTACのネット試験サンプル①について解説していきます。

TACのネット試験サンプルはこちら(模擬試験問題1(TAC出版))

こちらも解説がないので、つばさの息子のHikaruが解説します。

(簡略化のため、万単位が使えるところは万で回答しています。)

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解く順番

解く順番は、14532です。2の有価証券系は計算がたくさん必要なので最後に廻します。

大門1 難易度:易 基本的な仕訳

1.未払消費税の処理

基本的なフォームに当てはめると、仮払<未払であることから未払消費税であることが分かります。

もし仮払>未払なら未収還付消費税になります。

仮受消費税 60万

仮払消費税 40万

未払消費税 20万

2.企業の合併

今回の問題ではありませんでしたが、合併時の参照価格は「時価評価」であることに注意してください。

現金・売掛・建物は資産。借入金は負債。資本金繰入額に指定(250万)があることに注意して下さい。

発行額は@60000×75=450万。(資本金250万、資本準備金200万)

差額をのれん、または負ののれん発生益で処理。

現金 130万

売掛金 85万

建物 375万

(上合計590万)

のれん 10万

借入金 150万

資本金 250万

資本準備金 200万

(合計600万)

3.その他有価証券の税効果会計

495000→490000に価格が下がっています。つまり「その他有価証券」勘定が貸方。

5000のうち40%が税効果会計の対象になるので、2000円が繰延税金資産になります。

繰延税金資産 2000

その他有価証券評価差額金 3000

その他有価証券 5000

4.引当金の割り当て

ボーナス問題。回答の通りなので省略。

5.株式の期中購入・売却

ここでの論点は、一株あたりの価格がいくらか。平均法で記帳している、と注意書きがありますので、平均を計算。

今回の問題ではありませんでしたが、付随費用があった場合取得価格に含めます。くれぐれもご注意ください。
  • @1300×200=26万(付随費用なし)
  • @1260×100=12.6万(付随費用なし)
  • @1552×100=155200(付随費用なし)

合計して、400株、541200なので、一株当たり@1353円になります。

@1345円で売却してるので、差額の@8×250=2000円の損が出ていることが分かります。

有価証券売却損 2000

未収入金 336250

売買目的有価証券 338250

大門4 難易度:易~普通 工業簿記仕訳・製造原価報告書

1.工業簿記仕訳

Box図を書いて回答します。

材料(平均)

月初

500 @1800

90万

当月使用

1800

@1950=351万

当月購入

1500 @2000

300万

月末

(必要なし)

合計 2000kg 390万

➡単価は@1950(これを使う)

 

問2は直接作業=仕掛品勘定(3200H,320万)、間接作業=製造間接費勘定(800H,80万)になります。

問3は予定配布問題。

 
息子
予定配布の勘定は暗記しましょう。かりかた仕掛品、かしかた製造間接費です。

予定単価が5600万/4万=@1400と出ます。問2で直接作業時間が3200Hと分かっているので掛け算して、448万。

問1

仕掛品 351万

材料 351万

問2

仕掛品 320万

製造間接費 80万

賃金・給与 400万

問3

仕掛品 448万

製造間接費 448万

2.製造原価報告書・P/L作成

予定配布が使われています。製造原価報告書では予定配布額に修正、P/Lでは実際発生金額に補正することに注意。

素材(直接材料費に転写)➡4000+31600-4800=30800

補助材料(製造間接費に含む)➡360+4300-400=4260

人件費関係は期末+当期-期首であることに注意、素材関係と反対。

直労(直接労務費に転写・全額直労)➡580+26200-600=26180

間労(製造間接費に含む)➡220+14500-250=14470

次に製造間接費だけTフォームで集計します。資料4~14において工場に関係するものはすべて製造間接費です。

 
息子
「製造間接費」「予定配布」の文字が見えたらすぐにTフォーム。
借方貸方

補助材料 4260

間労 14470

資料6と7 1960

資料8と9 1200

資料10 1400

(合計 23290)

資料12 配布 22000

以上より製造原価が出せます。

借方残高が23290になったので、1290不利差異が出ています。

直材 30800

直労 26180

製間 23290(⇦実際発生金額。下で予定価格に補正します)

小計 80270

製造間接費配布差異 [-] 1290

当期製造費用 78980

期首仕掛  6500

合計 85480

期末仕掛 7100

当期製造原価 78380(損益計算書に転記)

 

次に「販売費および一般管理費」を出しておきます。合計は9210になります。

販売費と一般管理費が分かれているケースもあるので注意

 

↓もし販売費と一般管理費が分かれていた場合↓

販売費一般管理費

資料5 販売員給与 2300

資料13 その他販売費 1420

資料4 本社建物減価償却 1200

資料11 本社役員 2400

資料14 その他一般管理 1890

あとは、上の数値を転写していけば回答になります。

 

大門5 難易度:やや難 製造原価カード・差異分析・シュレッター図の複合問題

標準原価カードはあるのですが、標準作業時間などが分からないので計算して出さないといけません。

また、kgや時間など単位が混ざっています。原価カードの見落とし、集計ミスが大失点につながるので注意。単位まで書くことを強く推奨します。

まずは材料のBOX図を求めます。

材料

月初

0個

当月完成

2300個

当月投入

2500個

月末仕掛

200個

次に加工のBOX図を求めます。

加工費

月初

0

当月完成

2300個

当月投入(計算で出す、2300+100)

2400個

月末

200×50%=100

次に材料のkg数を求め、差異分析に必要なデータを集計します。

  • 当月投入分➡2500個x原価カード10kg=25000kg、予定単価500
  • 実際消費➡25800kg,実際単価510
510(検算、1250万+258000+40万=25800×510になればOK)

(+10)➡価格:不利差異 25800×10=258000

500

500×25000=1250万

(+800)➡数量:不利差異 800×500=40万

 

25000kg25800kg

次に、加工費の時間を求めます。

  • 当月加工分➡2200個x原価カード5H=12000H、予定単価800
  • 実際消費➡12800H,実際単価780
780(検算、960万+64万-256000=12800×780になればOK)

(-20)➡賃率:有利差異 12800x(-20)=-256000

800

800×12000=960万

(+800)➡時間:不利差異 800×800=64万

 

12000H12800H

問1、問2は上で出た数値を移すだけです。

最後に製造間接費の分析をします。

 

原価カードより、標準原価が900,変動費率が500と分かっているので、

製造間接費の標準原価=固定費率+変動費率

より、固定費率=400が導けます。月額の固定費が540万なので、540万/400=13500Hの基準作業時間が求められます。

あとはシュレッター図に当てはめるだけ。

 

必要な数値は以下の通りになります。

  • 固定費➡540万 固定費率➡400 変動費率➡500
  • 標準作業時間➡12000H 実際作業時間➡12800H 基準作業時間➡13500H

操業度差異➡(13500-12800)x400=28万(不利)

固定・変動能率差異➡(12800-12000)x(500+400)=72万(不利)

予算差異➡①許容予算=540万+500×12800=1180万、実際発生金額は12032000なので差額をとって232000円(不利)

 

以上をまとめたものが回答になります。

 

大門3 難易度:やや難 残高試算表・B/S・税効果会計

ベーシックな問題と思いきや、備品の期中売却、その他有価証券の税効果会計、償却原価法による債券の評価替えなど二級の論点が詰まっています。また、現金預金がひとつの勘定になっていることにも注意が必要です。

 

B/S問題が難しいのは、支払法人税が割合指定だとP/L項目も税引き前当期純利益まで計算しないといけなくなるからですが、今回は決算整理事項の10で「課税見込み額は248150である」と数値で指定してあります。

 

 
息子
つまり、繰越利益剰余金以外を埋めれば貸借一致より繰越利益剰余金が出ます。

回答が求められるのはB/S項目と売上総利益。

P/L項目の売上高、仕入原価、商品評価損(問題文より棚卸減耗損は含めない)を出す必要があります。

 

1.当座預金に関する決算整理事項

1.売掛の未処理 現金預金 40000売掛金 40000164000→124000に変動、注意
2.未取り付け小切手      処理の必要はなし 

3.未渡小切手 現金預金 10000

未払金 10000

3.の家賃の処理だけ注意。売上債権以外の未渡し小切手は未払金として処理します。

2.貸倒引当金の設定

受取手形➡396000 売掛金➡164000-40000=124000 合計52万 2%なので10400が貸倒引当金になります。

求められてるのはB/Sなので繰入額を出す必要はありません。

 

3.売上原価の算出

商品Aの帳簿価格➡400x@540=216000 同じくB=300x@400=12万の合計336000

売上原価の算出をする必要があるので「しーくりくりしー」します。

 

仕入 267000繰越 267000
繰越 336000仕入 267000

以上より、仕入=2233000になります。

 

次に、「商品評価損は売上原価に入れる」と指示があるので商品評価損を出します。

  • 商品A➡@540から@500に評価落ち、40×350個=14000
  • 商品B➡400から430に上がってるので評価しない

よって商品評価損は14000。2233000+14000で売上原価は2247000になります。

したがって、売上総利益=392万-224.7万=167.3万円。

 

次に棚卸減耗損を出します。

  • 商品A➡50x@540=27000
  • 商品B➡10x@400=4000

合計31000になります。繰越商品=336000-14000-31000=291000。

 

4.満期保有目的債券の償却原価法による評価替え

残高試算表より取得価格は43万。額面50万、発行と同時に取得してるのでタイムラグは考えなくて良いです。

一年あたりの償却額は(50万-43万)/5年=14000。

10/1に取得したので半年持っていることが分かるので、14000/2=7000。

よって、437000が評価額になります。

 

5.その他有価証券の税効果会計

23万から25万に上がってるので、その他有価証券勘定は借方。税効果会計は差の20000×25%=5000。

その他有価証券 20000

繰り延べ税金負債 5000(要チェック)

その他有価証券評価差額金 15000

6.子会社株式の評価替え(罠)

ワナ。子会社株式の評価替えは、

  • 取得時より50%以上時価が下落
  • 下落した時価の回復可能性がない

ことが条件なので、今回は対象外です。

 
息子
そもそも減損会計は2級の範囲外です。

7.固定資産の期中売却を含む処理

建物は普通。120万x0.9(残存価格)/30年=36000が減価償却。累計額は合計して、396000になります。

問題は備品です。

 

期中売却によって備品価格、備品累計額が低下しています。

  • 備品➡100万-20万=80万
  • 備品累計➡257600-97600=16万

よって、(80万-16万)x20%=128000が減価償却額になります。

 

累計額は16万+128000=288000円

今回は法人税の金額が分かっているので減価償却費の計算は省略していますが、金額がわからない場合はP/Lを出す必要があるので計算しないといけません。

 

8.退職給付引当金の繰り入れ

退職給付費用 5万退職給付引当金 5万

合計して55万。

 

9.支払利息の月割計上

3/1に借りたので計上するのは1か月分のみ。

30万x2%/12=500。

支払利息 500未払費用 500(B/L)
 
つばさ
整理後に支払利息を見てみると、5500+500=6000になっており、30万の2%になっていることが分かります。

10.法人税の算出(罠あり)

普通は、割合で書いてあるのですが、今回は支払税額が書いてあります。

しかし、このまま書いてはいけません。残高試算表に「仮払法人税」が10万あるので、差し引いて納税額を出します。

よって、248150-10万=148150が未払法人税になります。

 

11.繰り延べ税金資産・繰り延べ税金負債の相殺(罠あり)

「将来減算一時差異」で混乱するかもしれませんが、期首の145000を税率25%で掛けると、36250円が導かれます。

 
つばさ
将来減算一時差異の正体は繰り延べ税金資産です。

同じように、期末の158900に税率25%を掛けると39725。これが期末の繰り延べ税金資産です。

これも、そのまま書いてはいけません。

5.で税効果会計で繰り延べ税金負債が5000発生しているので、相殺する必要があります。

39725-5000=34725。これが繰り延べ税金資産の残高になります。

 

最後にやること

以上でB/Sの「繰越利益剰余金」以外の勘定が埋まるので、差額で「繰越利益剰余金」を出します。

今回は法人税の金額が判明していたので、かなりの回答手続きを省略できました。

しかし、法人税の税率しかわかっていない場合は事実上P/Lも計算しないといけないので難問になります。
 

大門2 難易度:難 有価証券

 
息子
株主資本等変動計算書や銀行勘定調整表以外が出ると大惨事になると悪名高い大門2です。

問題を一読すると、有価証券の正体が分かります。

  • 株式A➡売買目的、何回か取引
  • 株式B➡子会社株式、1回のみ
  • 債券C➡期中取得の満期保有目的債券(後回し!!!)
  • 株式D➡その他保有目的、1回のみ、税効果会計あり

これより回答順は、

株B➡株D➡株A➡債券C

あまり時間が残ってないと思うので、部分点だけ狙っていきましょう。

株式B 子会社株式

6/15のみ、一回だけしか出てこない上、評価替えも不要。@2000×12000=2400万

問2、子会社株式おわり。

株式D その他有価証券+税効果会計

8/4と期末の税効果会計。取得価格は@1500×500=75万。期末価格は@1700なので@200×500=10万プラスの評価替えになります。

税率25%を掛けて25000。

その他保有目的 10万

繰越税金負債 25000

その他有価証券評価差額金 75000

よって、問3の答えは75000で方残高になります。

株式A 売買目的有価証券

時間がない場合は回答用紙の日付を見ましょう。仕訳しないといけない日付が書いてあったらラッキー。

この場合も売買目的有価証券➡売買など勘定を省略したほうがよいです。

株式Aの評価額

5/3 +1000 @1000合計100万
9/8 +200 合計1200株  問題文より26万合計126万
平均法より 126万/1200株=@1050 
10/31 -100=1100株

合計 1155000

5/3 購入  

売買 100万

未払 100万

9/8 購入  

売買 100万

C 100万

10/31 売却 

C 110万

売買 100x@1050=105000

売却益 5000

3/31 評価替 1050→1100なので価格上昇 1100株

売買 55000

有価証券評価益 55000

3/31 繰越

次期繰り越し 121万

 

株式C 満期保有目的債券(期中取得)、償却原価法

額面1000万、95.8%、端数利息18000なので、購入価格は958万。

12/31の利息は丸々計算します。

1000万x0.36%=36000

3/31には処理が二つ。

  • 償却原価法
  • 未収有価証券利息

まずは償却原価法から。発行日と購入日にタイムラグがあるので、月割で計算します。

x7年7/1~x10年12月31=12+12+12+6=42か月。

今期分はx7年7/1~x8年3月31の9か月。

よって、(1000万-958万)/42×9か月=90000

最後に未収有価証券利息の計算。

1/1~3/31の三か月なので

1000万x0.36×3/12=9000

以上をまとめると以下のような仕訳になります。

7/1 購入

満期 958万

有価利息 18000

当座預金 9511800

12/31 利息の受け取り

普通預金 36000

有価利息 36000

3/31 償却原価法

満期 9万

有価利息 9万

3/31 未収入金の計上

未収入有価利息利息 9000

有価利息 9000

有価証券利息の損益勘定は貸借一致より117000、満期保有目的債券の評価額は958万+9万=967万(問2の満期保有目的債券)になります。

目標:77点

大門1 16/20点 大門2 12/20点 大門3 16/20点 大門4 24/28点 大門5 9/12点が目標だと思われます。

 
息子
ちなみに81点でした。

つばさの息子が学習したスクールはこちら

息子が学習していたスクールについては、こちらで紹介しています。

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