【個人事業主向け】エアコンを買った時の仕訳のやりかた【家事按分】

8/1に、部屋にエアコンをとりつけました。

この記事では、個人事業主のかた向けにエアコンを買ったときの仕訳を、

  • 工事費などの処理
  • 支払方法別の処理
  • 家事按分の処理
  • 時事列で分けた処理(まとめ)

で説明します。

 
ヒカル
つばさとヒカルの頑・頑日記の経理をしている僕が説明します。
  • 青色申告をしている個人事業主が利用する。法人や中小企業ではない(税法が絡んでくるので解説は省略)

    ダクトを含むような大規模な設備ではない(大規模な場合、仕訳そのものが変わります。詳しくはこちら

    エアコン代と工事費、運送費込みで10万未満である(「少額減価償却資産の特例」は使わない)

    家事按分を利用する

ことを前提として説明しています。

目次
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税込み、税抜きのどちらで経理をしているかで変わるのですが、

  • 税込み➡消費税を含んだ額が10万未満
  • 税抜き➡消費税を含まない額が10万未満

というのが条件。

 
つばさ
個人事業主の場合、取得価額が30万円未満の減価償却資産であれば全額消耗品費として計上可能です。(マネーフォワードさんが詳しく解説されています。

確定申告のためにとっておかないといけないもの

クーラーを買った場合、とっておかないといけないものは以下の通りです。

  • 買った店のレシート(要日付)
  • 工事費など内訳が分かるもの
  • 取り付け工事や電気工事をしたあとの領収書

電気工事や取り付け代、運送費は費用に含める(58500円とします)

工事費などの処理ですが、たとえば、

  1. 本体代 33000円
  2. 取り付け代金 10000円
  3. コンセントの工事代金 12000円
  4. 配送料(購入者負担) 3500円

だった場合、合計58500円が費用になります。取得価格とも言います。

 
つばさ
仕入諸掛と同じ考え方です。

まず支払時の仕訳だけを考える(家事按分は後!)

中小企業や法人の場合、消耗品費(費用)や備品(資産)として全額処理するのですが、個人事業主の場合は全額を費用として処理するのは難しいと思われます。

プライベートで利用する分があるからです。(家事按分といいます)

まずは、家事按分を除いた支払の部分だけの仕訳を考えていきます。

事業用に用意した現金で払った場合の仕訳

事業用に別途用意した現金で払った場合の仕訳は

借方貸方
消耗品費 58500現金 58500

となります。

事業用に用意したカードで支払った場合の仕訳

事業用に用意したカードで払った場合の仕訳は

借方貸方
消耗品費 58500未払金 58500

となります。

カードが落ちる日に事業用口座(普通預金)から支払った場合

借方貸方
未払金 58500普通預金 58500

となります。

個人事業主のプライベートの現金で処理した場合

個人事業主のプライベートの現金で支払った場合の仕訳は

借方貸方
消耗品費 58500事業主 58500

となります。

少し難しい事例・・・プライベートのカードで支払う場合

プライベートのカードで支払う場合、

  1. 毎回事業主借で処理する
  2. 一度未払金にしたあとカード支払日に事業主借に振り替える

方法があります。どちらを選んでも良い(カード支払日に同じ仕訳になります)のですが、

会計法では一度選択した方法を一貫して使い続けないといけない原則があるので注意して下さい。

 
つばさ
継続性の原則といいます。
どちらの処理を使えば良いかわからない場合は最寄りの税務署や税理士に相談されるのが確実です。

個人事業主のプライベートのカードで処理した場合(毎回事業主借で処理)

個人事業主のプライベートの現金で支払った場合の仕訳は

借方貸方
消耗品費 58500事業主 58500

となります。

個人事業主のプライベートのカードで処理した場合(毎回未払金➡事業主借に振り替えて処理)

個人事業主のプライベートのカードで支払った場合の仕訳は、未払金を使って処理している場合は

借方貸方
消耗品費 58500未払金 58500

となります。プライベートの口座(普通預金)から支払われたときに、

借方貸方
未払金 58500事業主 58500

となります。

家事按分を行う(事業用に20%按分するとして説明)

個人的には支払の仕訳と家事按分(費用を事業用と個人利用に分ける処理)とは別々に行うことをお勧めします。

理由は、

  • 初心者の場合、相殺を失敗した場合の処理が分からないから
  • 領収書の合計の金額と仕訳帳に載ってくる費用の金額が変わってしまうから(取得価格と領収書のズレが出てしまう

です。

事業用と個人利用の割合の考え方ですが、合理的に説明できれば何%でも大丈夫です。

事業用にオフィスを借りている場合でもない限り、全額事業用は難しいと思われます。

たとえば、

  • 電気代を基準として、1日12時間くらい電気を使い、うち2時間を事業用に使うから6分の1の16.6%を事業用とする
  • 部屋の面積を基準として、事業用の部屋の面積が25%くらいなので25%を事業用とする

など。

今回は、事業用に20%を使っていると仮定して説明します。

具体的な家事按分の例(事業用に20%を使っていると仮定)

上で紹介した支払方法別の仕訳ですが、共通して

借方に消耗品費が58500円計上されている

状態です。事業用に20%を使っていると仮定して、

  • 20%の11700円を消耗品費に残す=80%の46800円を消耗品費から個人利用に振り替える

処理をすればよいことが分かります。

借方貸方
事業主 46800消耗品費 46800

まちがって事業主「借」にしないよう注意してください。

上の処理をすることで、46800円を消耗品費から個人利用に振り替えられて、11700円が消耗品費として計上されます。

 

時事列で仕訳まとめ

この記事で説明した仕訳を時事列でまとめてみます。条件として、

7/25日に工事費など全て込みで58500円で購入、8/1から利用開始。事業割合は20%。クレカは個人用・事業用ともに8/25日に落ちる
 

事業用に用意した現金で払った場合の仕訳と家事按分

日付借方貸方
8/1 消耗品費 58500現金 58500
8/1事業主 46800消耗品費 46800

事業用に用意したカードで支払った場合の仕訳と家事按分

日付借方貸方
8/1 消耗品費 58500未払金 58500
8/1事業主貸 46800消耗品費 46800
8/25未払金 58500普通預金 46800

個人事業主のプライベートの現金で処理した場合と家事按分

日付借方貸方
8/1 消耗品費 58500事業主 58500
8/1事業主 46800消耗品費 46800

個人事業主のプライベートのカードで支払って家事按分する場合(毎回事業主借)

日付借方貸方
8/1 消耗品費 58500事業主 58500
8/1事業主 46800消耗品費 46800

個人事業主のプライベートのカードで支払って家事按分する場合(毎回未払金➡事業主借)

日付借方貸方
8/1 消耗品費 58500未払金 58500
8/1事業主貸 46800消耗品費 46800
8/25未払金 58500事業主 46800

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